Twitter…Xにさっきまでつらつら書いてたけど、人の迷惑になるから消した。
こっちで全開で語るよ。
録画してあった「サイボーグ009超銀河伝説」を見た。
6年生の時に見たんだけど、40年も前の映画なんだと思うとちょっとびっくり。
初めて子供だけで映画館に入った記念すべき映画(母は入り口でバイバイ。弟と二人で中に入った)であり、映画館内でクラスメイトと偶然出会うという奇跡の映画(彼女とはのちにオタ友になり、ゴッドマーズで大いに盛り上がった)であり、観たかった映画「地球へ…」の一部ではあるが動く映像を見ることが出来た(アニメ映画の人気投票かなんかがあり、ランクインした映画が予告枠で紹介されていた)貴重な映画である。
つまりものすごく思い出深い映画なのだわ。
しかし内容についてはほぼ覚えておらず、「宇宙人美女と003が009を取り合う」「004が死ぬけど生身で生き返ってきて、またサイボーグにしてくれと言う」「ボルテックスとかいうよく判らない超すごいものがある」という事しか記憶にない。
そんなんで視聴スタート。
まず声をきいておぉ…と思う。
今となっては伝説の声優とでもいうのか、そういう人たちが多数出てる。永井一郎、八奈見乗児、白石冬美、肝付兼太、曽我部和行、井上和彦、杉山佳寿子、野田圭一などなど。小原乃梨子と大塚周夫もいた。
当時少年役と言えば野沢雅子か小原乃梨子だったな。藤田淑子もか。
今のサイボーグ戦士たちの生活、敵の存在、異邦人の登場、戦う意思を固める00ナンバーたち…と続くけど、とにかく導入部が長い。冗長とも思えるほどだらだら続く。そこそんな丁寧に描く必要ある? と思うこともしばしば。
やっと宇宙に移動したと思ったら宇宙機雷に遭遇し、そこをすり抜けていくシーン。しょっぱなに爆破して機雷に気づき、よけながら航行するのだけど、爆破した時点で機雷ほぼ動いてるよね。ていうか宇宙空間だから爆発のスピードのまま動き続けてるよね。
でかい宇宙船が全てよけながら航行するとか可能なの?
機雷を退けての時空移動のシーンがまた長い。
スターゲートを通って超長距離を一瞬で移動するというシーンで、今となってはかなり当たり前のSF設定。
この移動中をエフェクト技術をふんだんに使って長々と演出。負荷に苦しむチームの顔が映る。
80年代のアニメでこういうシーンがある時、いつもそれなりに尺を取っていたように思う。
今は移動中の演出なんかほぼないよね。
抜けた後宇宙船の不調に気付き、地球とよく似た気候の星で修理補給することに。
助けを求めてやってきた宇宙少年の話だと友好的な文明星。
宇宙港らしきところに船を下ろすと、途端に地面が下降しだし、天井が閉まる。
「罠か!」
えっなんで罠。それまでその星に敵がいるとかかけらも考えてなかったのになぜ何のためらいもなくそのセリフが出る。普通に船が止まったから格納スペースに降りて行っただけだろ。
真っ暗な格納庫で壁を照らすと、案内板らしき絵図が書いてある。納得して出口を探すと、森に出る。出口には巨大な岩があり、005が押し倒して開いた。
なんで、文明の塊みたいな宇宙港の出口が森の中で岩でふさがっている場所になっているのか。
文明が滅びて植物に覆われているとしても、設計時出入口付近は整備された利便性がいい場所に作ってるはずだろ。
この星で記憶に残っていた宇宙人美女登場。
記憶では美女が009を好きで009も結構メロメロになり、003がそれに気づいてヤキモキするという事になっていたが、果たして。
そこに居た00メンバー(002,004,005,006,008,009)全員で囚われていた彼女を助けたにもかかわらず、囚われてる時から「009」としか言わない美女タマラ。
助かった後も009しか目に入ってない。
そのあと009と二人になるシーンで、この星に残って私と結婚して子供産んで星を盛り立てて行こうと一方的に提案するタマラ。急すぎな上全く同意を得ていない妄想で話を進めている。
抱きつかれてデレデレの009。
そこに003が現れ、009の無事な姿に笑みを浮かべて駆け寄りかけたところに……陰からタマラがすっと出てきて、意味ありげに笑いかける。完全に勝者の笑み。あれだ、浮気現場で彼女が浮気相手の女を見た時、女が余裕の笑みを浮かべて、残念ね彼はもう私のとりこよと言わんばかりの顔をする。どう見ても事後の顔。
003はそんな雰囲気を感じ取り、えっどういう事って009を見ると、なんだかにこにこしてる。003に会えたからにこにこしてるってわけでもなさそうで、003は悲し気に目を伏せる。
そのあと009は、君が言うように星の復興を手伝いたいが、使命があるからとタマラのお願いを断るんだけど、その言い方って、使命が無ければここに残って君と子供を作るってことだよね。最低の断り方です。
フランソワーズが可哀相すぎるだろおおおおおおお!
正直、ここのシーンの009の気持ちが全く分かりません。009は優柔不断という設定があったと思うけど、演出とセリフを総合すると、流されてるにしても恋人への配慮が無さすぎる。こんなろくでなしだったか? と思う。
そのあと敵の攻撃を受けて、結局星の生き残りもタマラも死亡。生き残りの住民モブが完全に舞台装置。なんの描写もなくただ逃げて吹っ飛ばされる生き物でしかない。コスモが居たら、バッフクランめぇえええ!って叫びながら死んだ子供を抱き上げてくれるのにと思う。
ちなみに星に降りてから星を出るまで20分くらい。
初めの1時間の冗長なシーンを削って、この星での出来事をもう少し深く演出したほうが良かったのではと思う。確かタマラはポスターのキービジュアルになっていた。
20分では正直タマラはただの電波です。
私の記憶は特に間違ってはいなかったと再確認した。
そのあとは敵の本拠地に殴り込み、まぁご都合なシーンもあったけど仲間を助け出し、逃げようとしたが前後を挟まれ、004は負傷し、絶体絶命。
004がぐいと前に出て、ずっと探していた、俺の死に場所はここだと宣言して盾になり、みんなを逃がす。
皆が逃げ切った後は体を張って中心部へ向かい、体に埋め込まれた小型原爆を起動させて本拠地もろとも爆死。
なんか既視感があるなと思ってちょっと考えて、ヤマトの映画で真田さんが爆死するやつだと気が付いた。
#後で調べたところ、流行りのヤマトに乗っかったような演出や脚本だったため、009版ヤマトとか揶揄されていたらしい。
しかし004くそカッコえぇ。子供の時の私、この見た目あんまりイケメンじゃない男のカッコよさ判った!? どうだった!?
記憶にないからどう思ったのかサッパリ判らない!
残ったメンツでボスを追いかけて決戦の場所ボルテックスへ向かう。最後の地にひとりで飛び込む009。
そして特に目立ったシーンもなく突如白光りしながら空間移動して戻ってくる。
ボルテックスは生き物で、神に近い存在だと。一瞬だけ同化してその全ての力を得た時、ボスの滅亡を願って、みんなのところに戻ることを願って、地球に戻れない船を地球に戻すことを願った。で、すべてかなった。
あっけな…。まぁいいけど。
地球で004の墓の前。そこに突如004が生身の体になって戻ってくる。この復活も009がボルテックスの中で願っていたらしい。004はギルモア博士にみんなの仲間でいるにはサイボーグでないとと言う。
記憶は間違ってなかったものの、このシーンは納得いかない。
00シリーズのメンツはサイボーグになることを納得してそうなったわけではない。望まない体、望まない戦いを呪いながら生きている。
特に004はメンツの中でもサイボーグ化した部分が多く、ほぼ全身が義体。恋人と逃げる途中で自分だけが生き残ったという後悔が常にあり、あの時彼女と死にたかったと心の底で願っている男。
そんな人がかるーく「みんなとおそろいでよろ!」なんて言ううわけない。
wikiみたら、やっぱりそこのシーンは不評らしい。テレビで放映した時はラストシーンをカットして流したという事も書いてあった。
003と語らう009、二人が抱き合い、そしてエンディング。母星に帰っていく宇宙人少年の船が航行する様子を映しながらのテロップ。
宇宙人少年が手を振る演出とかあるのかと思ったが無い。
船が地球をバックに手前に迫ってきて、カメラ前で進路を変え、側面を見せながら進んでいく…というのは割と見かける演出だなと思う。
うーーーーーーん。
小学生ならごまかせたんだろうけど、大人はこれはちょっと…。
小学生ですらタマラの存在や004のサイボーグ化発言は「?」だったし。
本拠地に乗り込んでからの戦闘シーンなんかは割とよかったけど、全体的に演出も脚本も今一つですね。
あと009の最大の武器である加速装置が全く生かされていない。
宇宙人少年のぽやぽやした感じは、のび太感のある優しい声をあてられていたので、とてもよかった。ていうか声優さんはみんなよかったですね。安定してるし。
130分の映画で、宇宙に上がるまでに60分、タマラ編に20分、敵の本拠地に乗り込んで敵を倒して地球に戻ってくるのに50分てイメージ。
130分のボリュームがある内容だとは思うけど、時間配分が悪すぎる。
良かったら置いておこうと思ったけど、もうこれは消去だな。
思い出は美しいまま置いておこう。