さよぎん

アマプラにあったので、つい見てしまった。
「さよなら銀河鉄道999」。
えーともう、30年ぶり? くらいに見た。

公開当時は見に行った。中学生。
当時はさよ銀のビデオテープはあったのかなあ。あったとしても1万円台で、学生にはとても買えない値段。
#なんで1万円台と覚えてるかというと、中学の時に必死に小遣いをためて12,000円した「クラッシャージョウ」のビデオテープを買ったから。
その代わり映画の音声のみのレコード(ドラマ版)と映画音楽のみのレコード(音楽版)が普通のLPレコードの値段で(しかし2枚組だったのでビデオより安いが高価)が販売されており、友達と組んで二人で片方ずつ買った。
そんで互いにテープにダビングして交換。
私はドラマ版担当だったので、それを聞くときはレコードをかけていた。
途中まで聞いてほかのことやるのに針下ろしたままほったらかしたりしてたせいで、そこに窪みが出来てしまって針飛びするようになったとかいう悲しい記憶もあるさー。

まぁそんなことをしてましたので、アマプラで見始めたら、初めの方は特に、こう来てこう来てこのセリフ…と割と覚えてた。
映像がないとね…脳内で映画を再生しながら聞くしかないから、余計強く頭に残るの。
でもずーっと見てたら、、メーテルと再会したあたりから細かいセリフ回しや場面展開は忘れてましたね。

本題。
当時中学生だったから完全スルーで見てたけど、いま改めて見て、一番思ったこと。

「ハーロックとエメラルダスは何を指標にやってきたの?」
二人とも999や鉄郎の危機にさっそうと現れたけど、どうやって危機を知ったのか。
たまたま…とするには宇宙は広い。
ふたりとも、特にハーロックは、ずっと鉄郎を張ってたとしか思えない。999は行き先不明の路線のはずだし。
ただずーーーっと見守っていて、激やばな時だけちょろっと露払い。
男なので基本手助けしてはいけないのだ!

……宇宙海賊、暇だなー。

エメラルダスの方も黒騎士の人工星が爆発したときにさらっとメーテル助けてきたけど、連絡取り合ってたとしか思えないタイミングの登場。
映画見ながらすごく今風なこと考えててさ、LINEでメ「黒騎士きた」エ「え、何しに」メ「知らない。鉄郎めあてかも。何やらかすかわからないから、近所に来ててくれる?」 エ「了解」みたいなやり取りが目に浮かんでしまったわ。

それ以外にも、なんかご都合だなあと思ったところがあれこれと。

機械化母星で、生身の人間の命の火を抜き取って機械化人のエネルギー食料に変換する工場を目の当たりにしたご一行。
鉄郎がメタルメナを人を運ぶコンベアの前に引っ張っていき、これでもエネルギー食料が食えるのかー!と迫るとメタルメナは震えだし、そのあと一行をとらえに来た機械化人たちにメタルメナは突如突っ込んでいって攻撃、敵もろとも炎上。

メタルメナさんのきもちの流れがよくわかりません。
一行がコンベアを目の当たりにした時点でドン引きしてたならわかるんだけど、そのあと鉄郎が友達探し出してきて泣いてた時、爪眺めてしらっとしてたやん。
そもそもコンベアの前でずっと鉄郎待ってたし、今更間近まで引っ張らなくても、ずっと見てたし。
そこに至るまでに鉄郎に好意的だったシーンが全くなかったにもかかわらず、突如鉄郎に共感して突っ込んでいったのはものすごく不自然だった。

クライマックス近く、サイレンの魔女と呼ばれる空間が機械化人や機械化母星のエネルギーを次々と食っていくシーン。
999がサイレンの魔女に引っ張られるのは、機械エネルギーがあるからだと車掌さんが言う。
傷ついた体で乗り込んでいたメタルメナは、自分のせいだと気づいて自ら魔女の引力に身を投げる。
えっと…メーテルさんも機械の体、ですよね?
それは、いいの?

ミヤウダーのお墓をラーメタルに作って、地球に帰るとハーロックに話す鉄郎。
まず目についたのが、ハーロックのマントの留め金のドクロ、そしてシャツの真ん中のでかいドクロ、そしてサーベルベルトのバックルのドクロ、ガンベルトのバックルのドクロ。
ドクロが縦に4つも並んでいて、海賊意識強すぎだと思った。
いやかっこいいよ? ハーロックはとんでもなくかっこいい。
でもドクロの意匠を盛りすぎだ。
それと、地球を脱出する時、長い戦いでメンテナンスもされてなかった線路が999を追うように砕けていき、線路から宇宙に出てすぐ全てが粉々になってしまったけど、どうやって帰るの?
まぁ999以外にも路線があったはずだから、別のホームが生きてるのかもしれんけど。

メーテルがなぜラーメタルにいて、ラーメタルで999に乗りに来たのかも全く不明。
ミヤウダーのオルゴールはなんでいいタイミングでのみ鳴るのかとか。壊れてんの?
メーテルはプロメシュームの跡を継いだって噂だぜ?って言っただけで訳も分からず英雄にぶん殴られて言い返しも殴り返しもしないミヤウダーは天使なの?
それからさあ。
一番初め、鉄郎にメッセージを運んできたレジスタンスはいつどこで誰にそれを託されたのよ。
プロメシュームの罠なら、機械化人が持ってきたはず。誰が受け取るんだそんなもん。
何らかの流れで人間から託されたとしても、生きてるかどうかもわからない、名前しかわからない人間あてのメッセージを運ぶ人なんかいるかね。
ずーっとリレーしてて、誰かのポッケに常に入ってて、いつか近しい人の手に渡り…ならあり得ると思うけど。
黒騎士が鉄郎に会いたかったらしいけど、あんな状態の地球で鉄郎は生きてると確信したうえでの計画。
俺の息子が死ぬわけないと?
んでプロメシュームも前回あんな目にあわされて、よく呼ぼうと思ったよね。
きたらひと騒動あることくらい予想できただろうに。
ヒトガタをなくしたから考えが大雑把になったのかしら。
ていうか惑星と同化してるってどういう仕組みなのだろうか。
ていうかラーメタルでの肖像は貴族のようだけど、石ころ同然の星に娘と二人でやってきてあれだけの機械化文明を作り上げるって、いったい何をどうやって。資源は。資金は。技術は。知恵は。
ああなんかどんどんご都合なところが見つかってしまう。

この映画は「青春」とか「男は」とかそういうキーワードがしょっちゅう出てくる。
鉄郎の周りにいる大人たちが「青春は…」「男(の子)は…」と語ってるのが、どうにも鼻につくというか…なんだろ、上からっぽい。こうあるべきだと押し付ける老人のような。
もう大人になって長いので、そういうのは共感できなくなったせいだろうか。

いっぱい書いてしまったけど、好きな映画だよ、やっぱり。
中学高校時代は小遣いをためてアニメ映画を見に行った。
小遣いは多くはなかったから、2本公開されたら1本しか行けなかったし、春と夏にあったらどっちかしか行けなかった。
とてもとても楽しみにして見に行った。
自分の見たい映画を自分のお金で見る。それがとてもうれしかった。
あの頃見た映画には、どれもそういう強い気持ちが詰まってる。
これが「青春」なのかしらね。

11/4追記。
たまたまCATVで銀河鉄道999の放送があったんで見た。
…こっちの方がちゃんとしてる気がする。
ところどころ「あんたなんでそこに?」とか「どうやって?」とか「なんで?」とかはあったけど、だいたいが無理なく繋がっていた。
大人になった今だと、さよ銀は焼き直し感や蛇足感がありますね。

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