以前うちの会社に居た若い営業の人が、今は全く違う仕事についているらしく、先日会社あてにお便りが届いた。
その仕事のイベントを大阪でやるからよかったらお誘いあわせの上…というもの。
日曜に出かけた先がそのイベント会場に近かったんで、挨拶だけでもと思って行った。
久しぶりーお元気ですかー意外ですねー頑張ってますねーなど当たり障りのない会話をし、その人の同期に子供が生まれたので、その話もついでにした。
「ああそうなんですかー(にこにこ)。ところでそっちはどうなんですか?」
「そっち?」
そっちってわしの近況?仕事はもう君がいたころに比べたらえげつないほどはしんどいけど、そんなの聞きたいかね…と思っていたら、急に彼は慌てた顔をして、
「あっ、いや、いいんです。いやいや、うん。僕もね、もうすぐ子供生まれるんですよー」
そこまで聞いて、やっと、「あなたは彼氏や結婚はどうなんですか?」と問われていた事に気が付いた。
あの慌てたそぶりは、大前提として「パートナーの居ない女性は可哀相」ってのがあるんだろうなあと感じた。
だから、いらんこと言うたと恥じたんだろうし、これ以上余計なこと言わないでおこうと取り繕ったんだろうし。
いやまぁ、心遣いはありがとう。
けどもパートナーが居ない自分を可哀相と思ったこともないし、パートナーが居ないことを話題にするのはタブーだと思ったことすらない。
家もあるし仕事もあるし友達もいるし猫もいるし趣味も楽しんでるし親も元気だし弟も定職についてる。
居たら楽しいと思うけど、居たところで上記の項目に「パートナー」てのが増えるだけで、別に突出もしないと思う。
他のいろんな人、事、物を愛する気持ちと天秤にかけたらおそらく平行。
そんなわけで、彼がおそらく考えた、パートナーがいないこの人は劣等感や羞恥の気持ちがあるだろうという予想は大ハズレ。
気を使われる理由が全くなかっただけに、ものっそい対応に困った。
彼がその話題をなかったことにしようとしてたので、とりあえずそのまま流して、もう少しだけ喋ってサヨナラした。
笑い飛ばしてやりゃよかったのか、スルーで正解だったのか、演技でも残念そうなそぶりを見せりゃ満足してもらえたのか。
どういう態度が正解だったのかすごい知りたい。