本について

好きな作家さんの講演会をレポートした文章を読んだんだけど、ちょっとショックと言うか、悲しいことが書いてあった。



その先生原作の映画が大当たりして、一瞬にして時の人のようになり、本屋さんにいっぱい平積みしてもらえるようになったのね。昔出た単行本の文庫化とか、何冊もある短編集の中から特選集という形で本が出直したりとか、待遇もよくなった。

単行本なんかは再版してもらえて無くて絶版になってるのが多いから、そう言う意味ではファンとしてとても嬉しい。昨日も、ずっと読みたかった単行本が文庫化してるのに気がついてうきうき買ってきた。

講演会を開いてもらえるようになったのも、たぶん映画効果があってのことだと思う。以前から講演会はあったと思うけど、映画以降の集客数はだいぶ違ったんじゃないかな。

で、先生は二足のわらじ作家で、昼間は会社経営夜は作家の生活だったんだけど、会社をたたんで作家一本でやっていくことにしたらしい(ていうか既にそう)。

文筆に力を入れてくれるのも、ファンとしてはとても嬉しい。その先生の作品もっと読みたいからね。



で、話が始めに戻るんだけど、その講演会で先生はこうおっしゃった。

「大きな賞をいただいてから(映画がバカ当たりする前に先生は○○大賞を受賞している)、売れ行きに関係なくたくさんの人に読んでもらえる事を意識するようになった。本屋で見ていたら、自分の本を手にしてくれる人は居るが、表紙や中身が黒っぽい本は購買意欲が湧かないようだ。活字離れが広まっていて、文字がいっぱい詰まっている本では買ってもらえない。なので先日出した本はカナと漢字を7:3くらいにして、紙面の下のほうは2割は空けるという事を意識した。お年寄りでも読みやすいよう活字も大きくした(笑)」

(レポートを要約・意訳)

これを読んだ時は情けなくて悲しくて。

確かに活字離れは広まっている。びっちり文字が詰まってる本よりは、パっとみてうっとおしくない程度の紙面のほうが取っつきやすいという事も判る。

けどさ!じゃあわしらみたいな活字中毒はどうすりゃいいのよ!文字がびっちり詰まってて読みごたえのある紙面が大好きな本の虫はどこへ行けばいいの先生!

なんか「売れ行きに関係なくたくさんの人に読んでもらえることを意識」ってとこにもひっかかった。たくさんの人が読むってことは、万人受けする作品を書くってことでしょ。万人受けするなら、今までの本より全然売れるじゃん。売れ行きに関係なく自分の好きな作品を書く、っていうなら意味判るけど、理解できないよ先生。(T-T)



最近の文庫本は活字が大きくなる傾向にある。明治頃の文学を現代仮名遣いに直して大きめの活字で文庫化、というのもよくある話。

細かい字でびっちりかかれた黒っぽいページを丁寧に読む楽しさも、旧仮名遣いだからこそじっくり読める楽しさももう奪われてしまったんだなぁ。

取っつきやすさを意識してか、最近の本の表紙はイラストではなくマンガ調なのも多いし。

#ミステリーや、芥川賞なんかにつながる文学小説はとくに変わってないですね。ここで言う本はSF。

マンガ調にされると想像が限定されちゃうから、それだけで萎える。ハードボイルドな表紙の単行本がマンガ調表紙で文庫化された時は泣けた。



先生の新刊にはすでに○○から映画化のオファーが来てるそう。もうどうでもいいやって気分。

大ヒットした件の映画、一応見たけどふ~んって感じだった。まぁ映画は映画で本とは違う嗜好があるから、感動系はわしには響かないってだけのことだけど。

どうせ映画にするならアレをやれ!夢野久作オマージュ作品のアレをやれ~!

あ、今日のお題は映画じゃねぇや。失礼。



本好きは文庫じゃなくて単行本を買えってことなのかなぁ。ハードカバーは高いし場所取るからヤなんだけどなぁ。

古本屋も安売りチェーン店が巾をきかせてるから、ホントに古い本て実は探すの大変になってきてる。出版社は再版をろくにしなくなったし、なんだか本読みには辛い時代かも。


あ、全然話変わるけど、ネットニュースでおもろいの見つけた。ここ。

ちなみにわしはNetscape→Mozilla→Firefox使いです。(^-^)b

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